TL;DR
- river-reviewer の核は Skill Registry:チーム固有のレビュー知識を「スキル」として明示化・バージョン管理し、GitHub Actions / CLI / Node API で再利用する(公式 README、確認日: 2026-05-17)。
- スキルは 上流(設計)/ 中流(実装)/ 下流(テスト/QA) のフェーズに振り分けられ、
phase入力と artifact で対象が決まる(公式 README)。 - スキルは「テスト可能で継続的に改善できる資産」。最新リリースは v0.43.0(公式リリース、確認日: 2026-05-17)、README のピン留め例は
@v0.42.0。
はじめに
こんにちは、みねです。
この記事は river-reviewer 入門(概念編)を読んだ方向けの 中級記事 です。概念編では「プロンプトを磨くのをやめ、レビュー知を Agent Skills として資産化する」思想を説明しました。本記事はその中核機構である Skill Registry——versioned skill としてレビュー知をどう持つか——を、公式リポジトリの一次情報で具体化します。
この記事のゴール:
- レビュー知を「スキル」として持つとは具体的に何をすることか説明できるようになる
- 上流/中流/下流のフェーズ別にスキルを運用する形を自分の CI で再現できるようになる
Skill Registry とは
公式 README は river-reviewer を「Context Engineering に基づく Skill Registry 中心 のコードレビューフレームワーク」と定義し、「チーム固有のレビュー知識を『スキル』として明示化・バージョン管理し、あらゆる環境で再利用できる。スキルはテスト可能で継続的に改善できる資産」と述べています(公式 README、確認日: 2026-05-17)。
つまり Skill Registry とは、レビュー観点(ADR 整合・スタイル・テストカバレッジなど)を バージョン管理されたスキルの集合 として持つ仕組みです。公式 README には実際のスキルパス例として次が示されています(公式 README、確認日: 2026-05-17)。
skills/upstream/rr-upstream-plangate-plan-integrity-001/(設計レビュー:計画の整合性・網羅性)skills/upstream/rr-upstream-plangate-exec-conformance-001/(実装レビュー:実装差分が計画と一致するか)
-001 のように 連番でバージョンを持つ のがポイントです。プロンプトを書き換えるのではなく、スキルを版管理して継続的に改善する——これが「プロンプトを磨けば勝てる、をやめた」(概念編で引用した公式 Philosophy)の実装面です。
フェーズ別ルーティング(上流/中流/下流)
公式 README は river-reviewer のフローを 3 つの位置で説明しています(公式 README、確認日: 2026-05-17)。
| フェーズ | 役割 |
|---|---|
| 上流(設計) | ADR を踏まえたチェックでコードのドリフトを防ぎ、アーキテクチャ判断との整合を保つ |
| 中流(実装) | スタイルと保守性のガードレールで日々のコーディングを支援する |
| 下流(テスト/QA) | テスト指向のスキルがカバレッジ不足や失敗パスを浮かび上がらせる |
スキルは phase とファイルメタデータを見て、開発段階に合ったものが選択されます(フェーズ指向ルーティング、公式 README)。GitHub Actions では phase: upstream|midstream|downstream|all を指定し、フェーズ別ジョブとして並列実行もできます(公式 README 高度な設定例)。
jobs:
review-upstream:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v6
with: { fetch-depth: 0 }
- uses: s977043/river-reviewer/runners/[email protected]
with: { phase: upstream }
env: { OPENAI_API_KEY: ${{ secrets.OPENAI_API_KEY }} }
コスト面では estimate: true(見積もりのみ)/ max_cost(USD 上限、超過で終了)/ Draft では dry_run: true でプロンプト確認のみ、といった運用スイッチが README に例示されています(公式 README、確認日: 2026-05-17)。スキルを資産化したうえで、適用強度を PR の状態(Draft/Ready)で変えられるのが中級運用の勘所です。
artifact 駆動とスキルの関係
概念編で触れたとおり river-reviewer は artifact-driven review agent で、plan / diff / test-cases / junit などのアーティファクトを入力に findings を出力します(公式 README)。Skill Registry のスキルは、このアーティファクトを「どの観点で検査するか」を定義したものです。
公式 README の主な統合例は PlanGate との連携で、PlanGate が生成した plan / pbi-input を上流スキル(rr-upstream-plangate-plan-integrity-001 等)で検査します。PlanGate の計画先行ワークフローが生む plan/test-cases を、river-reviewer 側のスキルでレビューする——上流の計画品質を二重に担保できる組み合わせです。
Skill Registry 運用の注意(中級)
- スキルは版で改善する:観点を直すときプロンプト本文を書き換えるのではなく、スキルを新版(
-002等)として追加しテスト可能に保つ(公式は「テスト可能で継続的に改善できる資産」と表現)。 - フェーズを混ぜない:上流スキルで実装スタイルを見ない。
phaseルーティングの粒度を守ると findings のノイズが減る(経験則)。 - コスト上限を必ず置く:
max_cost未設定だと PR 規模次第で費用が膨らむ。Draft はdry_runで抑える(公式 README の運用例に準拠)。 - CLI は将来仕様:
river review plan/exec/verifyは Issue #509 で開発中(概念編参照)。現状は Actions / 既存ランナー前提で設計する。
まとめ:次のアクション
- Skill Registry = レビュー知を versioned skill として持つ仕組み。プロンプト改変ではなく版管理で改善する。
phase(上流/中流/下流)でスキルをルーティングし、max_cost/dry_runで運用コストを設計する。- 概念の入口は river-reviewer 入門。PlanGate と組むなら PlanGate 実践 も参照。
FAQ
Q1. Skill Registry は具体的に何を管理しますか?
公式 README によれば、チーム固有のレビュー知識を「スキル」として明示化・バージョン管理します。skills/upstream/rr-upstream-plangate-plan-integrity-001/ のように連番で版を持ち、テスト可能で継続的に改善できる資産として扱います。
Q2. プロンプトを直すのとどう違うのですか?
公式 Philosophy は「プロンプトを磨けば勝てる、をやめた」と明言しています。観点の改善はプロンプト本文の書き換えではなく、スキルを新版として追加・テストすることで行います。
Q3. 上流/中流/下流はどう使い分けますか?
公式 README では上流=設計(ADR 整合)、中流=実装(スタイル/保守性)、下流=テスト/QA(カバレッジ/失敗パス)。GitHub Actions の phase 入力でフェーズ別に振り分け、並列実行もできます。
Q4. レビューコストを抑える方法は?
公式 README の運用例では estimate: true(見積もりのみ)、max_cost(USD 上限・超過で終了)、Draft PR では dry_run: true が示されています。
Q5. 入門記事との違いは?
入門記事は「river-reviewer とは何か・なぜ作られたか」を扱う概念入口です。本記事は Skill Registry の構造とフェーズ別運用に踏み込む中級編です。
References
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river-reviewer 公式リポジトリ: https://github.com/s977043/river-reviewer (確認日: 2026-05-17)
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river-reviewer 公式ドキュメント: https://river-reviewer.vercel.app/explanation/intro/ (確認日: 2026-05-17)
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river-reviewer ドキュメント(the3396 ミラー): https://river-reviewer.the3396.com (確認日: 2026-05-17)
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river-reviewer リリース v0.43.0: https://github.com/s977043/river-reviewer/releases/tag/v0.43.0 (確認日: 2026-05-17)
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river-reviewer リリース一覧: https://github.com/s977043/river-reviewer/releases (確認日: 2026-05-17)
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シリーズ親(river-reviewer 入門): /articles/river-reviewer-intro-context-engineering/
